【Kangaroo Care】

“Leo watoto wangapi watavunja mezani!!(今日は何人の赤ちゃんが机を壊せるかな?)”

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Kangaroo病棟の1日は看護師のこの一声から始まる。

ここは体重1500g未満の赤ちゃんがいーっぱいいる病棟。

ここで言う“mezani(机)”とは、体重計のお皿部分のこと。

その“机”は体重が1500g超えると壊れる。

壊れたら、晴れて、退院できる。やったぁ!

 

つまり、「何人の子どもが退院できるくらい大きくなったかな?」っていう比喩表現。

 

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体重1500gを越えると、

“Amevunja mezani!! Hongera!!(机を壊したね!おめでとう!)”声をかける。

ママは大喜びをして、赤ちゃんにキスをし、

病棟みんなで1人の赤ちゃんの体重の増加を喜ぶ。

 

体重1500gを越えなくても、昨日よりも増加したら、

同じように“Hongera(おめでとう)!”と声をかける。

 

一方で、昨日よりも減って落ち込むママには、

“Ataongeza kesho(明日増加するよ)!”と声をかける。

 

Kangaroo Careとは、赤ちゃんをママに抱かせる保育法で、

保育器がない途上国では、

未熟児・低出生体重児を救うために代替案。

赤ちゃんの呼吸が安定する、

赤ちゃんの体温が保たれる、

赤ちゃんの免疫が高まる、

母乳の分泌が促進される、

ママと赤ちゃんの絆が深まるといった効果がある。

 

ママはご飯の時と、トイレの時、赤ちゃんにミルクをあげる時以外は、

ひたすら赤ちゃんを抱っこして寝ていなきゃいけない。

これねー、結構辛いと思うんだよね、すごい!

 

この病棟が他の病棟と明らかに異なることは、

病棟の雰囲気、医師・看護師と患者間の信頼関係。

 

医師・看護師の患者への関心。

赤ちゃんの体重増加をママと一緒に喜び、

退院に向けてママと赤ちゃんと一緒に頑張ってる感。

 

同じ「体重測定」でも、

測定後大喜びをして赤ちゃんにキスするKangaroo病棟のママ、

測定後表情を何一つ変えず帰室する栄養失調病棟のママ。

 

その違いは何か?

もちろん体重増加が退院のゴールであるのと、

そうでないってのは理由の一つかもしれない。

Kangaroo careの効果なのかもしれない。

 

けど、この病棟の看護師のかける一言一言も、

ママの育児への自信を促し、

赤ちゃんへの愛着を増強させている理由の一つだろうなって思った。

 

「看護師の鏡」賞でもあげようかな♪