【学校に行きたいママたち】

若年妊娠。

その理由の一つが、中学校が家から遠すぎること。

 

片道数時間かけて通学している。

しかし、彼女たちの仕事は勉強だけではない。

水を汲みに行ったり、家事をしたり、弟妹の面倒を見なければならない。

 

そんな彼女たちにとって、通学に費やす数時間はもったいない。

でも、学校には行きたい…

 

どうするか?

少女たちはピキピキ(バイクタクシー)を使う。

当然払うお金はない。

代償として、体で払う。

結果、望まない妊娠が発覚する。

もぉー。

 

もう一つの理由。

上記の問題を解決するために作られた“ハズ”の学生寮に、つかさず忍び込む野郎ども。

その中には、無知な少女が承諾しているものもあるだろうけど、学校の先生もいるらしい。

結果、望まない妊娠が発覚する。

くっそー。

 

タンザニアでは44%の少女が19歳までに結婚と妊娠を経験する。

在学中の少女を妊娠さると、禁固30年という法律がある。

結果、「自分は父親ではない」と逃げてしまう。

さらに、妊娠した生徒は強制退学が法律で定められているため、

中絶という危険な選択をすることが極めて多い。

それにより命を落とす少女も少なくない。

なんでだよぉおおおおー。

 

子どもを授かったとしても、知識がない。

その無知さが、子どもの栄養失調、病気に繋がる。

 

……決してママたちのせいだけではない。。。

 

そんな彼女たちを守ろうとしているNGO団体がある。

 

移動図書館を山のてっぺんまで届けよう!というもの。

名は“ウフルー号”、スワヒリ語で“自立”を意味。

あらゆる分野の本を500冊に加え、

性教育に関する本も乗せ、巡回する予定。

 

目的。

望まない妊娠により子どもの未来が奪われる前に、

本と触れ合うことで、夢の実現を後押しする環境を整えること。

 

在学中の大学院の先生がそのNGOに関わっていることもあり、今回はそのウフルー号記念すべきOpening Ceremonyを見学させてもらった。

 

田舎町から、さらに車で1時間弱、ひたすら山道を登った。

どうやら頂上にある小学校で行われるらしい。

車内からは、ところどころで土壁の家の村があり、学校に通うために、毎日この急な坂道を登ってるのかと思うとゾッとした。

昔、戦争やら紛争やらがあった時に、逃げてきて出来た村らしい。

 

到着すると、生徒が物珍しい顔でこっちを見てくる。

きっと色が白い(最近はだいぶ黒いw)人が珍しいのだろう。

 

生徒は歌やダンスを披露、地元民の人は楽器を披露してくれた。

 

先生によって、性教育の絵本が配られ、みんなで朗読した。

「TatunaMbili(少女の望まない妊娠をテーマにした絵本)」

みんな本を大切に持ち、その後も何度も読んでいる姿が印象的だった。

きっと“自分専用の本”なんてもらったことないのかもしれない。

 

「移動図書館にどんな本が欲しい?」

と聞くと、多くの子どもが“教科書”と答えた。

 

タンザニアでは教科書は配布されない。

5~6人で1冊を共有することも珍しくない。

もしかしたら、そもそもどんな絵本や本が存在するのかすら知らないのかもしれない。

 

若年妊娠により、学校に行けなくなった子育て中のママたちのインタビューにも立ちあわせてもらった。

 

それぞれの今後について聞いてみた。

もちろん、みんな、夢があった。

 

“学校に戻りたい”

“看護師になりたい”

“学校の先生になりたい”

“ホテルでサービス業をやりたい”

 

学校に通えていれば、知識があれば、

若年妊娠を未然に防ぐことだって、

夢を叶えることだって出来たかもしれないのに。

悔しい。。。

 

この子たちの学校復帰がこのNGOの次の課題。

 

人が人生で職業として選べるのは、たったひとつ。

「自分はこれが好きだ!」と思い、

「自分はこれを職業としたい!」というものを発見させ、

それが叶えられるような環境を整えること、

それが、ウフルー号の挑戦の主眼なんだろうな。

 

勉強にだけ集中しても良いってとても贅沢なことだ。

1人1冊、家に持ち帰っても良い教科書や本があることは贅沢なことだ。

大学院にまで進学し、今こうして夢を叶えられているのは贅沢すぎることだ。

 

与えられた環境に感謝して、

アフリカの子どもに立ち憚る問題と戦いたい。

小さなことを、大きな愛で。

 

先生、ありがとうございます。後に続きます。