【安全な環境を整える】

スワヒリ語の先生の家でCooking教室~♪ 

ハエだらけの市場で野菜、果物、魚、米を購入。

冷蔵庫なんてあったとしても、いつ停電するか分からないから、買い溜め不可能。

毎日、その日必要な分だけ、お買いもの。

 

近くの小さなお店で水、油を購入。

現地の人も飲料水はなるべく購入。

 

近くの炭屋さんで炭を購入。

タンザニアでは都市部の8割方の家庭が炭コンロを使用しているらしい。

朝から晩までひたすら炭を砕いて売っている。体中まっくろくろ。

 

テクテク歩いていると、村についた。その一角が先生のお家。

多くの家の壁はコンクリート、屋根はトタンで蓋がしてあるだけ。

その蓋も穴だらけ、雨季のことを考えると恐ろしい。

リビングとキッチンと3畳くらいの部屋が二部屋。

トイレは外。穴のみ。

 

うーん…朝から晩まで先生として働いてもこの生活かぁ。

低賃金すぎる。

 

1人の少年がやってきた。

「アイスちょーだい!」

先生は冷凍庫から、ビニール袋に水とオレンジの汁を混ぜて凍らしたものを取り出し渡す。1本、100Tsh(5円)。

アイスを作って売っているらしい。

Azamのアイスは2000Tsh(100円)で高いし、

冷凍庫なんてある家庭の方が少ない。

 

そんなこんなでCooking開始。

その過程で「まじっ?!すごっ!!」って思ったこと4つ。

 

①分別!

調理の前に、買ってきたものを“食べられるもの”“捨てるもの”に分別する。

日本だったら、買ったものは間違いなく食べられるもので、

むしろ食べられないものが入ってたら「異物混入」で返品される。

虫なんて入ってたら、もう大ニュースwww

でも、ここでは、石ころも入ってれば、虫も入ってれば…

売り手が悪者になることはなく、全て自己責任。

米と豆の分別に15分くらい。

ママの大切な1日、24時間のうちの何分がこの不要な工程に費やされているのか。

もっと効率の良い方法がないのかなぁ。

 

②空中包丁サバキ

「野菜切って!」と言われ、地面をまな板変わりに使った私。

それを見た先生、ケタケタ笑って、空中食材さばきを見せてくれる。

…またこれ上手なんだわw

でも、日本のキレッキレな包丁で切ったら、間違いなく手を切ってしまうだろう。

まな板がない文化だと、切れ味の悪い包丁も必要だね。

 

③炭コンロ

高さ30cmくらいの炭コンロに火をつける。

その上にお鍋を置く。とても不安定。

お鍋の中に野菜やらお米を入れて混ぜる。さらに不安定。

火が消えてしまったら、調理終了せざるをえない。

 

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弱火にしたかったら、一度そのお鍋をどけて、炭を減らす。

強火にしたかったら、一度そのお鍋をどけて、炭を増やす。

火力調節の度に、沸騰した水が入ったお鍋を上げ下げする。

 

毎日そんなことしてたら、年に何回かお鍋をひっくり返したりもするよね。

…火傷もしやすいね。

こないだ会った太ももを火傷したママも、水を沸騰させたお鍋を移そうと思ったら、お鍋の取っ手が壊れて、熱湯を浴びちゃったんだって。

 

私の配属先にも、熱傷病棟がある。

火傷を負った子どもだけのための病棟。

日本じゃ、ありえないけど、タンザニアでは多くの子どもが熱傷で入院している。

火傷の原因は様々だけど、

一番多いのが調理中、目を離した先に子どもが火に触れること。

他にも、共働きの両親はまだ小さい兄姉に弟妹の面倒(食事)を頼むが、その間の熱傷、虐待、ライフスタイルの変化によって今はワンルームで全て生活するようになったから、キッチンと寝るところも一緒になったことなどなど。

 

…NTCのスタッフに言われた言葉を思い出した。

スポーツ大会を開催するにあたり、「開催する側の人間が、怪我をさせない環境を整えなければいけない」と。

 

それってスポーツだけじゃなくて、何に対してもそうで、

「何かをする/作るには、する/作る側の人間が、安全な環境を整える」ってことが大切なんだよね。うちらが安全に普段の暮らしを過ごせるのも、何かを開発する側の人間の安全への配慮によって守られているんだよね。

 

…火傷も負わさないようなシステム作り。

やかんとかお鍋の取っ手の精度だったり、火元の高さだったり。

そういう安全への配慮が必要そうだっ。

 

そんなことを考えながらの調理教室。

完成したタンザニア料理はめっちゃおいしかった。

今度は一人でも作れそうだっ。

先生、貴重な体験をありがとう。